確かに、取り上げ方はオーバーで、偶然に偶然が重ならないと起きないであろうというシチュエーションで解説されているのは事実。
この放送も、実は専門家の間ではよく知られている2つの事実が混同されている。
・グレープフルーツジュースは薬の作用を強くしたり弱くしたりする場合がある。果実そのものを食べても同じ。
・ワーファリン(血液を固まりにくくする薬)の効果は、納豆・クロレラ・青汁などビタミンKを大量に含む食べ物で打ち消される。
ところが、ワーファリンとグレープフルーツそのものの関係に言及した症例は、報告されているもので2件、しかも海外のもので再現ドラマの結末のように死んでしまっているわけでもない。
但し、因果関係なしとは断定できないようで、薬剤師会では「服薬中グレープフルーツジュースを大量摂取するのは避けるよう」指導するように通知している。
勘違いしないで欲しいのだが、まず薬をもらっている人、特に継続して服用している人のまず守るべきことは、「医師の指示通りに薬を服用して、自分勝手にやめたりしないこと」だ。
製作者の意図は、薬と普通の食べ物との関係について、強く触れたかったのだろうというのは、想像できる。
特に、日本人はもらってきた薬に関しては案外無頓着なことが多い。最近は、薬剤師がかなり詳しく説明するようになったから、自分が気になることがあったら聞いてみるといい。例えば、自分が市販薬で飲むことがある薬とこの薬とはどうなのかとか。
確かに、放送の内容は「苦言を呈する」ような内容だったかもしれないが、患者である自分たちからも、積極的に聞く姿勢が必要という点ではいい機会になったかもしれない。
たけしの医療番組に寄せられる苦言 - livedoor ニュース
(引用のため一部を省略しています。全文は、上のリンクからお読みください)
ところが、若手の企画でつまずくこともある。「最終警告! たけしの本当は怖い家庭の医学」だ。視聴率は好調で、特別プロジェクトからゴールデンに昇格している。が、医療関係者の間からは「まれな症例を大げさに扱っている」「番組内で扱うケースは、よほどの偶然が重ならない限り発症しない」などの苦言が寄せられているのだ。特にやり玉に挙がっているのは、夏に放送された2時間の拡大版。
番組では心筋梗塞の血栓を防ぐ薬「ワルファリンカリウム剤」の服用患者がグレープフルーツジュースを飲むと、薬が効きすぎて死に至ると伝えた。これに製薬会社や医療関係者から「あまりに極端過ぎる」「日本国内での死亡例は1件もない」との苦情が殺到しているのだとか。
(この項は 2004年10月16日 14:13に加筆修正した。)